マジカルなもの

何度か経験があるのですが、良い映画を見ると、心が無になるという現象が起こる。雑念が消えるというか、沈黙する。少なくとも、溝口健二キム・ギドクの映画ではそうなった。あと、園子温の「愛のむきだし」とかも。

こういう現象って、映画以外にも体験できるんじゃないかと思う。例えば、絵画を見るとか…でも、絵画でそういう経験は今までないのだが、丸の内にあった複製のゲルニカ見て、胸騒ぎはしました。マジカルなものは感じましたね。

マジカルなもの。

私はこういうことにだけ興味があるのかもしれない。もしかすると、ヨガやら気功やら禅なんかでも、人の心を無にしたり、マジカルなものを感じるのかもしれないね。

あと、マッサージなんかも、ちょっと肩を解きほぐしてもらうだけで、軽くなったりするのだから、マジカルなものというか、まあ、施術と言うから、"術"なんだから、すなわち、マジカルなものなんだろうね。

なんだか、スピリチュアルみたいな話になっちゃったが、芸術にせよ、呪術にせよ、施術にせよ、忍術にせよ、いわゆる、「術」というマジカルな要素に何か惹かれるものがあるし、そこに何かがある感じがするんだよね。

ただ、こういうものは、現代ではないがしろにされてる感覚なのかもしれない。

なんだか、宗教じみてしまったが、晩年のトルストイの小説に惹かれるのだから、元々、私にはそういう要素が内在しているのかもしれないな。