映画二大巨頭

この1年は映画を観てませんが、その前まで約7年間ほど映画を観ました。その中で、私が敬愛する監督が二人できました。

溝口健二アキ・カウリスマキです。

溝口健二はもちろん日本人ですが、アキ・カウリスマキフィンランドの監督です。

二人に共通するのは、下層階級といいますか、社会的弱者が主人公の場合がほとんどです。溝口監督の場合は、上流階級が主人公の映画のものはことごとく失敗しています(笑)

カウリスマキ監督の良いところは、台詞が少なく、説明的でないところですね。日本人で字幕を追う身の私としては、すごく観やすいです。変にナレーションとか入れてる映画とは大違いです。

また、監督の作品は、使う役者を固めているので、同じ役者でも作品によって役柄が違うので、観ていて面白いです。できれば、日本映画もそのスタイルでやってほしいです。そうした方が誰の作品だか一発で分かります。

溝口健二の映画は、著作権が切れたからなのか、某動画サイトにバンバン落ちてます(笑)

彼の映画は、ダメ男ばかりしか出てこないので、私としては大いに感情移入ができます(笑)
また、虐げられた女性、スレまくった女性と、色んな女性も出てきます。

そんな溝口健二監督の中で好きな作品は、浪華悲歌、残菊物語です。(共に戦前の映画なので、ガサガサしたプリントの状態に、今の映画に見慣れてる方は違和感を感じまくるかもしれないが)

残菊物語
https://youtu.be/Ggf7piD_Vbc

浪華悲歌
https://youtu.be/bdIpLamYzQ8

とくに、残菊物語は衝撃でした。たぶん、日本映画史上、最高傑作ではないか?と言っても過言ではない作品です。それぐらいの評価はされています。花柳章太郎演じる菊之助は、良い人なんだけど不器用なところが自分と重なりますし、森赫子演じるお徳は、もはや、神です(笑)まさに、グレートマザーという感じです。

アキの作品は大体好きですが、パラダイスの夕暮れ、ラヴィ・ド・ボエームがとくに好きですかね。(真夜中の虹も、コントラクトキラーも、街のあかりも好きですが)

私はパラダイスの夕暮れから入ったので、アキの作品なら、パラダイスの夕暮れを推しちゃいます。マッティ・ペロンパーとカティ・オウティネンというアキ監督作品の両エースが主役やってるので。

溝口健二の場合なら、初めて観る人には、雨月物語を推しますね。あと推すなら、近松物語とかになるのかも。間違っても、山椒太夫西鶴一代女のような激しい作品からは推さない(笑)あの二つ見て、こいつはヤバい!となるのだが…。

これは大袈裟に聞こえるかもしれませんが、溝口健二の映画を見て、私は初めて芸術というものに触れたような気がしました。この男は、魂磨り減らして映画を撮っているなと。これが表現というものなのだと。

溝口健二アキ・カウリスマキ

この二人は、数ある映画監督の中でも私にとっては特別な二人ですかね。

もちろん、他にも好きな監督はいますが…コーエン兄弟しかり、キム・ギドクしかり。もう、キム・ギドクは亡くなってしまいましたが…。