子供と反動形成

子供がいて、その子供に兄弟や姉妹が出来たとして、上の子が下の子に愛情を注ぐ場合、上の子は愛情がある子なんだなーと私は単純に思っていたのだが、どうやら、精神分析学的にはニュアンスが違うらしい。

反動形成という言葉がある。
これは本心と行動が逆に出る現象のことである。

例えば、女の人にあることだが、嫌いな人に敬語使ったり、やたらと丁寧になるオバチャンがいるが、これがまさに反動形成である。感情と行為が逆に出るのだ。

で、子供の方に話を戻すと、上の子が下の子に愛情を注ぐのは、愛情があるからというよりかは、嫉妬の裏返しとして愛情らしい。お母さんに受容されるためには、下の子に嫉妬してしまうとまずいので、嫉妬とは逆の、愛情という感情を注ぐ方向に舵を切る。すると、お母さんは僕や私を受け入れてくれる。子は、お母さんに受容されるためには、自分の想いを加工する。その愛情が深ければ深いほど、お母さんに受容されたい気持ちはかなり強いだろう。ウガった見方かもしれんが。

これは、子供の生存戦略と言っても良いかもしれない。お母さんこそが世界のすべてみたいな子供にとっては、お母さんに受け入れられることこそが第一であるから、それだけ必死なのである。

こういう考えが知識としてあるかないかで、子供の見方も随分変わってくるのではないかと思う。少なくとも、より俯瞰的に、より冷静に見れるようになるだろう。